PCMの活用<社会保険労務士対談>

新井 憲一
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橘 憲一

PCMを学ぶことで一人ひとりの個性を認め活かす!

新井憲一新井 憲一(あらい けんいち)

1967年生 横浜市出身、専修大学法学部卒、バブル末期世代。2001年に社会保険労務士として独立、中小企業の人事労務をサポートする中で、法律、規則、制度だけでは「人」が気持ちよく働けない事を実感。また、社内の「人」に関するトラブルの多くが「法律面」よりもむしろ「感情面」からの解決が重要であることも同時に痛感する。
「人」の眼が光を失った状態、下を向いた状態では「成果」にも結びつかず、どのように一人ひとりの目を輝かせ、会社の業績に反映させるのかが大きな課題と捉えていた。
2004年、業績を大幅に上げている経営者から、その秘密はPCM®(プロセスコミュニケーションモデル)という心理学メソッドの導入にあることを聞く。はじめは興味半分でPCMのセミナーを受講したが、現場でそのノウハウを活用することにより効果を実感、中小企業の発展に必ずお役にたてると確信し、2008年に認定トレーナーとなる。
プライベートにおいては、PCMにより離婚という人生最大のストレスを大幅に軽減した経験も持つ。
日本でただ一人の社会保険労務士のPCM認定トレーナーとして、セミナー、コンサルティングを行う。関与先企業に対して、チームマネジメント、顧客拡大戦略、メンタルヘルス対策もサポートしている。


橘憲一橘 憲一 (たちばな けんいち)

1966年、茨城県生まれ。有限会社アイル(クローバー薬局柵町)代表取締役。水戸一高卒・専修大学卒。
大学入学前より社会への好奇心と起業志向強く、受験意欲と学究心には乏しかった。(後に本当に焦ることになる)学生時代に起業するつもりだったが、バブル最盛期の家賃や資材の高騰を見て、小資本での起業が不可能と勝手に思い込み、就職。(後に組織に向かず思い悩むことになる)
東日本銀行を経て、会計事務所勤務。会計事務所在籍中に社会保険労務士資格取得。
2001年に、恩ある方々の支援を得て起業し、薬局開設。起業時に手を差し伸べていただいた方々のその手には何も返せないが、今度は若い人に自分が手を差し伸べ、後進と「手を合わせ」感謝の念を示したいと思っている。
「働く人を幸せにしたい。幸せな人だけが、人を幸せにできるから。その一つ向こうにある笑顔のために」

1. みなさんのご関係について

新井氏と大泉

新井 お二人(橘氏と大泉)とはPCM®(プロセスコミュニケーションモデル、以下「PCM」)を通して日頃からとても仲良くお付き合いをさせていただいています。まず今回このような場を設けていただき、お二人に心から感謝いたします。ありがとうございます。

大泉さんとはPCMを知っていただく前から社労士仲間としてお付き合いをしていましたが、とても仲良くなったきっかけは、2008年に東京で私のPCMのセミナーを受講していただいてからでしたね。それから大泉さんには、定期的にPCMのセミナーを受講してもらうだけでなく、顧問先のお客様をたくさんご紹介いただきました。それも大泉さんがPCMの価値を強く感じてくれたからだと思っているのですが、そうですよね?(笑)。今では大泉さんの事務所主催で定期的にPCMのセミナーを開いていただいています。

橘さんもその受講生のお一人としていらしてくれたのが自分との出会いのきっかけでした。お二人ともとても感性が素晴らしく、すぐにPCMを自分たちのフィールドで実践され、大きな成果を掴んでいただいたようで、そのフィードバックが自分にとっては、いつも嬉しくてたまりません。

PCMがご縁になって今では仕事だけでなくプライベートでもとても深いお付き合いができて、本当に嬉しく思っています。プライベートでのお付き合いもとても多くなりつつありますもんね(笑)。

橘氏

 実は僕もお二人と同じ社会保険労務士なのですが、社労士業について開店休業(笑)。薬局の運営会社を経営しているので、自社の経営と関係先の経営支援とをお二人の知恵を借りながら日々実践しています。

大泉さんとは20年来の付き合いで、元々は大泉さんが僕の友人の後輩。当初はもっぱら飲み仲間でした。遊び仲間ですからそんなに深く付き合うわけではないのだけど、「なぜか馬が合う」――そういう関係でした。馬が合うというのは大切なことで、今では仕事とプライベートの双方の理解者であり支援者になっていただいています。

この「なぜか馬が合う」という感覚は、僕にとって人生の謎のひとつなのだけれど、その謎を解く大切な鍵を、大泉さんから勧められて受講したPCMのセミナーで得ることができました。これがまさしくPCMの“Key To Me”セミナーでした。

この“Key To Me”セミナーの講師と受講生という関係でお会いしたのが、新井さん。不思議なもので新井さんとは下の名前が同じ「憲一」、年齢も出身大学も一緒。新井さんとは知り合って間もないのに、大泉さんとともに旧知の仲のようなお付き合いをいただいております。お二人はこれからの僕の人生に欠くことができない大切な友人です。

2. PCMとは?

新井憲一新井 PCMは、アメリカの心理学者であり行動科学者でもあるテービー・ケーラー博士によって科学的裏付けをもとにつくられたメソッドです。PCMはNASAの宇宙飛行士の選抜に使われたり、クリントン元大統領がケーラー博士を相談役としPCMを活用しながら大統領選を勝ち抜いたりしたことでも知られています。アメリカでは多くの大学において学科としても取り入れられています。またビジネスの分野においても、アメリカだけでなく世界中で、多くの世界的企業の組織づくり、組織戦略、社員教育などの中にも取り入れられています。

PCMでは「自分を知り、相手を知る」、自分と相手の違いを知ることによって相手を理解し、認め、より活かすことが可能になります。私のPCMとの出会いは、2004年になります。今も大変お世話になっている社長さんから、PCMを会社で導入して離職率が大幅に下がると同時に、社員一人ひとりの個性を認め活かすことが可能になり業績も大幅にアップしたというお話しをお聞きしました。そのことが社労士としてPCMセミナーを受講する大きな動機づけでした。

社労士として労使間のトラブルに関するご相談をいただくこともありますが、その際に強く感じるのは法律面よりもむしろ感情面からの解決が重要であるということです。そもそもですが、上司を尊敬し、日頃からよく面倒をみてもらっている、同僚とも仲が良く、仕事にも大きな不満もない、家族や友人ともとてもうまくいっている社員が会社と大きくトラブルを起こすことはまずないと思います。問題を起こすのは、社員の心の中に何らかの満たされない要素があるからで、その点をうまく満たしてあげることが出来るのであれば、労使間の問題も大きく減ると私は考えています。

上司が部下に伝えたいことがある場合、いくら正しい事でも相手の眼が下を向いてしまったり、輝かなかったりするのであれば、伝え方を変える必要があると私は思います。PCMは相手のパーソナリティーに合わせてどのように伝えればいいのか、その方法も提供してくれますし、また一人ひとりの個性を知って、日々どのように関わることが最も効果的なのかも示してくれます。上司と部下、お互いのエネルギーを問題解決ではなく、生産的な方向に向けることによって、会社の業績にも大きな貢献をPCMはしています。

PCMの特徴はなによりも実践的であることです。私自身、大学等で専門的学問的に深く心理学を学んだ経験もありませんし、もちろん医者でもありませんが、PCMを日常で活用することによって、大きな成果を実感しています。全ての主体は自分です。自分が良い状態でなければ仕事においてもプライベートにおいても大きな成果は期待できません。PCMは自分を良い状態にし、その状態を保つためのノウハウも提供してくれます。メンタルヘルス対策としても今後はPCMの活用が期待されます。(PCMは、医学的治療は一切行いません。ストレスに深く陥らないための効果的な方法について具体例を提供します)

大泉さんや橘さんにも実際に現場でPCMを導入していただきました。すでにPCMの効果を実感いただいていますよね? 大泉さんは自分らしい事務所づくりをしながら、着実に業績を向上されていますし、橘さんも社員の皆さんの輝きが変わり、業務がとてもスムーズに運ぶようになったとお聞きしています。今日はそのお話しをより詳しくお聞かせいただきたいと思っていました。

3. PCMをどのように活用していますか?

大泉 2008年12月に新井さんの“Key To Me”セミナーを受講し、その後“Basic”セミナー、“Advanced” セミナー、“Master”コースという段階を踏んでPCMを深く学びました。1度受講したから終わりではなく、その後も継続的に受講しています。なぜなら、PCMが身近にあることで、ストレスコントロールが上手になり、自分が穏やかでいることができるからです。

穏やか=心の平安は、成功に欠かすことができないものだと私は確信しております。自分が穏やかであるからこそ、家族・友人・社員・お客様、すべての人に良い影響を与えることができるのではないかと思っております。PCMを学んでいることで、自分らしく生きることができております。私の「自分らしさぶり?」は毎月発行の「癒さレター」で好評連載中です(笑)。

 実のところ僕の場合、自分自身のストレスコントロールのためにPCMを受講しました。当時、僕は非常に困難なプロジェクトに取り組んでいました。プロジェクト自体は当初の目的を達成したものの、目標達成後の自分自身の満足度やプロジェクトで関わった周囲の方々との関係性において、目指した真の成果が得られなかったと感じていたのです。困難なプロジェクトの成功と引き換えに僕が手にしたのは、ひどいストレス状態だったのですね。

新井さんのPCMセミナーを受講し、自分のパーソナリティをまずは知識として理解しました。これはすごいものと出会ったと。そして、日々大泉さんの助言をいただきながら、自分のパーソナリティに合ったやり方で少しずつ自分自身をストレスのない状態に置くことを意識付けていきました。

新井さんのPCMを受講して、パーソナリティによって自分をよい状態に置く方法が異なることを知ったので、さっそく自分に合った方法を意識的に実践しました。そうする中でいつしか自分が楽になったのですね。そしてストレスのない状態に身を置いている時にだけ、相手のパーソナリティに合った建設的なコミュニケーションがとれることに身をもって気づくことになりました。

PCMを知ることで驚くほどコミュニケーションが上手くいく。知的な理解を越えて、腑に落ちたのですね。そして、これはプライベートにも仕事にも必ず活かせるものだと確信するにいたって、お二人の支援をいただきPCMを会社に導入しました。

4. PCMを会社に導入した効果は?

 PCMは中学生でも理解可能な平易な手法ですが、社内及び社外とのコミュニケーションの質の向上、さらには働く人の満足度の向上と顧客満足度の向上の両面でよい結果がでるものとの確信を持っての会社への導入でした。導入目的は社員の心理的状態を良好に保ちかつ向上させることで、モチベーションと生産性の向上を図ることです。

当社においては、正社員は薬剤師及び事務職全員に受講を義務付け、パートタイマーには希望者への受講を推奨しています。

確信は正解でした。社員がPCMセミナーを受講した翌日の朝から社内風土は早速劇的な変化を見せ、その変化は一過性でなく日々深化しています。もちろん良い変化です。各自のモチベーションが上がり、生産性も向上しています。薬局の場合の生産性というのは、主に仕事の精度の向上と接遇力の向上です。これにより顧客満足度を高めることができたと思っています。

PCMの導入の効果を簡潔に言うと次の通りです。

  1. 社員がいい気分で働くようになった。
  2. 社員同士がお互いに相手をいい気分にさせるすべを知った。
  3. パーソナリティが異なる社員同士が、相手に伝わる話し方・伝え方を知った。
  4. 顧客(患者さん)のパーソナリティを類推するヒントを得たことで、顧客への接遇力が向上した。

PCMの理解の平易さとその効果の大きさの塩梅は、実際に導入した会社にしかわからないですよね。

社員にはせっかく知ったPCMを、家族や友人そして恋人との関係、地域社会や子育てなどに活かしてほしいですね。PCMは仕事のみならず、あらゆる人生のシーンで有用なメソッドですから。そして、人生のあらゆるシーンで社員が幸せであれば、結果、会社での仕事のモチベーションは上がりますから。そしてその先にはおのずと業績がついてくる。これは先に導入している企業を見ての実感です。

PCMの活用においては、社員だけ受講させてトップが無関心ではダメですね。社員を一度受講させて終わりではなく、日々トップ自らも含めて、会社で・実社会での実践あってこそのPCMの効果ですよね。大泉さん、新井さん今後もご指導お願いします。ますます患者さんにとって、働く人にとって、そして自分にとって、居心地の“よい薬局”にしたいのです。

5. これからのビジョンついて

新井 社労士として法律面だけからでなく、人の気持ちの面からもご縁のある方々を全力でサポートさせていただきたいと強く想っています。お二人からもPCMの効果をお聞きして、大変嬉しく思っています。

お二人だけでなく、PCMを提供させていただいた多くの方から、PCMによってそれまでの自分、会社との開きを創ることが出来たとの報告をいただいています。その報告をいただくことが自分にとってなによりも嬉しい事なのです。私達の仕事は、現場で成果を出してこそ価値がありますからね。PCMをしっかりと勉強していただければ、自分の眼の輝かせ方、周りの人たち一人ひとりの眼をより輝かせるためのマネジメントについてもきっとより具体的な方法を見つけていただけると確信しています。

『「人」の面から豊かな会社づくりを全力でサポートします』という事務所ミッションに基づいて、会社の「人」の課題と向き合う社労士だからこその切り口で、このPCMの輪を大泉さん、橘さんをはじめとして、他の仲間たちと一緒に日本中のご縁のある方たちに広げていくことにワクワクしています。

PCMの輪が確実に広がっていることを日々実感していますし、これからも楽しく頑張っていきますよ。

大泉敦史と新井憲一氏大泉 実は、私が社労士になったのは、橘さんの影響なんです。

飲み仲間だった橘さんが、ある日突然、社労士になって……。橘さんは、面白いことを見つける嗅覚が鋭いので「社労士はきっと面白い仕事に違いない」と思って開業しました。開業から数年間は、面白い仕事というよりは、日々ストレスと肩こりで悩まされていましたね(笑)。面白いと思うようになったのは、PCMを活用してからです。だって、社長も社員もイキイキし、顧問先企業の業績が向上するのだから……。

先ほど、新井さんが「事務所ミッションに基づいて……」とおっしゃっていました。私も、事務所のあり方を決めるミッションはとても重要だと考えています。

大泉式労務管理事務所のミッションは「労務を通じて中小企業の業績の向上に貢献すること」です。社会保険労務士事務所として、地元茨城の中小企業の業績の向上に貢献し「頼んで良かった!」と喜ばれるように頑張ります。

© 1997 Taibi Kahler Communications,inc・Kahler Communications Japan

注意!!
※新井憲一は、ケーラーコミュニケーションズジャパン©が日本において所有権を有するプロセスコミュニケーションモデル®においてKEY TO ME セミナーおよびBASIC 2DAYセミナーを開催することの出来るKCJ PCM®認定トレーナーです。ケーラーコミュニケーションズジャパン©の許可なく、プロセスコミュニケーションモデル®等の名称を使用することは禁止されており、ケーラーコミュニケーションジャパンは、許可なく使用されたケーラーコミュニケーションズジャパン©、プロセスコミュニケーションモデル®等の名称に対し一切の責任を負いません。
※大泉式労務管理事務所は、日本で唯一の社会保険労務士のPCM認定トレーナーである新井憲一氏と共に、茨城県内の企業の皆様へPCMを提供することができる唯一の社会保険労務士事務所です。